読書感想文㉓『1分間ピケティ』-西村克己
こんばんは。
今日も今日とて残業をしていました。
幸い残業代が全額支払われる会社なので、働いた時間分はしっかりとお給料に反映されています。
以前はみなし残業でした。一見ホワイト企業の様に見えますが、マックスで残業するよりもみなしの方が貰えていた様です。単純に貰えるお金が減ったのです。
私は、今のシステムになってからの入社だったので、これが普通ですが前から働いていた人にとっては痛手です。独身ならまだ良いものの、家族がいる人にとってはやりくりが変わってきます。
これより、生活残業をする人も少なくはありません。生活残業とは、生活費を稼ぐために無駄に残業をする事です。「残業代全額支給!」と求人情報誌や転職サイトに書いてあっても、この様な事が裏にはあります。
そもそも、残業は会社の為に仕事をしている時間の事で、やった事に対しては支払われるべきものです。残業代全額支給は、本当なら当たり前の事ではないでしょうか。
元々貰っていたものが貰えなくなると、元に戻そう・取り返そうとします。生活残業は、この様な事から生まれた気がします。
「働き方改革」という言葉があります。年間有給取得5日以上、36協定といったものは、先の残業代と同じく、おかしいものです。
有給休暇は、働く人に与えられた権利です。全日取得が普通かと思います。
36協定についても、各業種・担当部署に応じて繁忙期は変化します。働く時間に上限を設定するのは良い事ですが、それによって本業が疎かになるのは本末転倒です。
「今月はこれだけの残業時間だから、最終週は、〇時間しか残業出来ない…」
おかしいと思いませんか。
残業代に関しては、私はみなし残業大賛成です。ただし、通常の残業時間よりも大幅に下回る物には反対です。
残業代がみなしで貰えれば、早く帰ろうという気になります。また、忙しい時は遅くまで作業が出来ます。みなし時間を超えたものに関しては、早く帰る月もあるので、そこで帳尻を合わせれば良いと思います。残業時間に対しての、総支給残業代の方が低ければ、そもそもの支給額を見直す。
正社員よりもアルバイトの方が稼いでいるといった事は、なくなるのではないでしょうか。正社員として働く人も増え、働く人が増えた事で一人一人の負担が少なくなる。
負担が少ないと生産性も上がると思います。生産性が上がる事でよりコストを低く生産が出来、利益を確保して販売が出来る。会社にとってもメリットがありそうです。
人を安く雇って利益を確保するのではなく、社内環境を整備してコストを下げる方が良いと思います。
■『1分間ピケティ』-西村克己
・読んだ時間:77分
本のタイトルの通り、1章1分で読めます。早い人は1時間無いくらいで読み終えられます。77項目があるので、77分で読めます。通勤時間やちょっとした休憩時間に1項目読むだけでも良いと思います。
先ほど、残業について書きました。私たち雇われる側も会社に求めてばかりではだめです。この本には、会社側・雇われる側でどのような形でお金が生まれているか書かれています。77項目ありますが、細分化されており、各項目につながりがあります。1項目を理解して次の項目を読むと、その項目ごとの理解がより深まっていきます。
この1文にこの人の資本論が集約されています。数式に苦手意識がある方もいらっしゃると思いますが、ただ言葉を記号に置き換えただけです。読めば分かります。
会社側。経営者層、富裕層を指します。
この層は、所得が多いです。所得に比例して資本が多くなります。「その資本が勝手に生んでくれるお金=不労所得」が、お金持ちをよりお金持ちにしていると書かれています。
会社でいうと、私たちは固定給で雇われています。人に対して、お給料という形で投資をし、その人が生む利益が自分の収入となります。会社を存続させるために、会社内にお金を残すとしても、それもまた利益を出すための投資となります。投資先が間違っていなければ、利益は働かずと増えていきます。
不動産王も同じ理屈です。土地やマンションに投資をし、そこを利用する人からお金を貰う。自分は、初期購入費とそこの状態維持のためのお金を払うだけでお金が入ってきます。状態維持にしても、警備員や管理人を雇えば解決します。
この様に、お金がある人はお金を生んでくれる物に投資をし、リターンでさらに投資、これの繰り返しで倍々ゲームの様にお金が増えていきます。
人口の大部分にあたります。この階級の人は、お金を貰って自分の時間や体力を、会社やお金を払う人の為に働きます。決して自分のためではありません。富裕層の投資先なのです。
私たちにも権利はありますが、その権利を行使・要求出来るのは、お給料よりも利益を生み出している人に限ります。
また、希少性の高い仕事が出来る人です。弁護士や医者、公認会計士の所得が多いのは、その資格を取得するのが非常に難しいからです。希少性の高い資格を取得し、専門的な仕事をする。それに対し、見合ったお金を貰う。
この様に、仕事に対しても需要と供給があります。誰でもできる仕事は誰に依頼しても良い。反対にその人にしか出来ない仕事はその人に依頼するしかありません。
私たちも、希少性の高い仕事が出来る様にスキルアップをしましょう。
ただ給料・賃金を上げてくれというだけではなく、「これは私にしか出来ません。だから、給料を上げてくれ。」と言えるまで、自分のスキルを高めていきたいと思います。起業をしても、この様に希少性が高い人になれば、仕事の依頼があるのではないかと思います。
何が、希少性が高いかはまだ分かりません。多くの人が、多くの企業がやりたがらない、やらない事を探してみます。
(追伸)
最低賃金が全国的に上がっていますね。時給が1,000円を超える地域も出てきました。
学生時代アルバイトをしました。時給の違いは、「人がやりたがらない」ものと「希少性が高い」もので差がついていた様に思います。
・「人がやりたがらない」
夜勤、早朝アルバイトです。
始発まで営業している飲食店でアルバイトをしていました。日中の時給は、850円でしたが、深夜・早朝の時給は1200円でした。時間帯によって差が出るのは当たり前ですが、少し考えるとこのような基準があります。
・「希少性が高い」
家庭教師のアルバイトでした。
ただの家庭教師ではなく、中学受験をしたことがある学生が教師をするという家庭教師アルバイトでした。時給は、3,000円を超える案件がたくさんありました。
受験の結果、志望校へ合格となれば通常の時給にプラスして10,000円程度のお礼が貰えました。日給が一番高かったのも、この家庭教師でした。1日で最高40,000円くらい貰った記憶があります。今でも到底超えられないでしょう。
これだけ、ネット社会になっているので、最低賃金の上昇だけでなく、地域での格差もそろそろなくなってくるだろうなと思います。